エルヴィスからエル・コンドルへ part2

エルは保健所の片隅で恐怖に震えていた犬でした。
そこに辿り着くまでは狭い所に閉じ込められていたことが明らかで、肘の皮膚は硬化し、お尻から太ももの辺りは産毛さえなく、ヘアレスドッグのように皮膚が見えていました。
当然のように栄養失調で筋と皮しかなかなく、糞尿にまみれで悪臭を放つ犬でした。
今となれば、当時はまだ１歳にも満たないはずでしたが、7歳とも10歳とも判断できる様子でした。






そんなエルを　DogShelter　さんが暗黒と絶望から救い出してくださいました。
普通の人が偶然にこの子を見ても、とてもとても飼ってくださる可能性はなかったろうと思います。
エルに出会い、その悲惨さを知り、生きるも死ぬも紙一重の命の恐怖を知りました。




すっかりくつろいだ現在のエルの表情です。
最近はこの子の過去が私たちの記憶からも薄れつつあります。


この子に巡り合った事で、私もペットの命の尊厳と保護を真剣に考えることになりました。
本来ならば簡単に犬や猫を飼ったり、子犬を生ませて増やしておきながら、邪魔になったら放棄する人間が的確に処罰されれば不幸な命は減るはずです。
しかしながら、今の日本でこの子たちに政治の目が真剣に向けられる日はいつになるのでしょうか？

こういうことに接するのは誰にとっても気持ちの良いものではありません。
だから、自分にできる範囲でよいのです.
ご自分の犬＆猫ちゃんをこよなく愛する方、今は飼えないけれど大好きという方、人間の犠牲になっている命のためにちょっとの努力でできることを考えて頂きたいと思います。

犬や猫を救うには労力が必要ですが、確実にお金もかかります。
多くの方にこの子たちの命の重みをしっかり受け止めて頂き、それが命の保護につながる事になればと改めて思いました。
それはまた、より良い日本の社会を作る礎へとつながるはずです。